ある調査(※1)によると15歳以上の日本人の約43%に下肢静脈瘤は発症するのではないかと言われています。
これだけの割合で認められるとなると、認知度は低い病気とはいえ決して他人事ではないということがお分かりかと思います。
また、地域限定で40歳以上を対象として行った調査(※2)では、約9%の方に下肢静脈瘤が認められたという報告もあります。
これを全日本人口に換算すると患者数は1,000万人以上と推定されます。
このようなことから下肢静脈瘤は日本人の10人に1人の割合で発症していると言われているのです。
このほか、出産経験のある女性の2人に1人、つまり約半数の方が発症するという報告(※3)もあり、40歳以上の女性の発症率は10%以上とも言われています。
生命などに影響のない良性疾患とはいえ、何もせずに放置していると潰瘍や血栓症を起こすこともありますので、下肢静脈瘤と疑われる症状がみられたら一度医療機関をご受診ください。
【注釈】
※1:平井正文、久保田仁、川村陽一他 脈管学28:415-420,1989
※2:小西正光教授ら:西予地区コホート研究、2005
※3:平井正文、牧篤彦、 早川直和 妊娠と静脈瘤 静脈学:255-261,1997